トップが語る、「いま、伝えたいこと」
心配していたトランプ関税の発動が現実的なものになりそうです。日本にとって最も影響が大きいとみられる自動車に対する関税を4月3日から例外なく25%かけるという発表がなされました。日本政府は粘り強く撤回を求めるというコメントに終始していますが、カナダやヨーロッパは対抗していく姿勢を鮮明にしており、貿易戦争が勃発する臭いが強くなってきました。トランプ大統領の1期目は当時の安倍総理が仲介する形でなんとか西側の秩序の中にとどまっていたトランプ大統領ですが、今回はやる気満々で、日本も中途半端な姿勢では乗り切れないのかもしれません。
新聞等の報道によれば、この関税で日本の自動車産業は13兆円の打撃を受けるということですが、トランプ大統領が考えている通り、これでアメリカの自動車産業が復活することはあるのでしょうか。ガソリン価格が高くなっている現状で燃費の悪いアメリカ車に消費者は戻ってくるのでしょうか。日本の自動車会社も腹を括って関税分は値上げをして、アメリカの消費者に痛みを感じてもらう方向にシンプルに考えた方がいいのかもしれません。トランプ大統領を選んだのはアメリカ人なのだから、その痛みはアメリカ国民が受けていくことが正しい方向性なのだと思います。日本のメーカーの企業努力は逆効果になってしまう気もします。
アメリカがそこまで考えたわけではないでしょうが、3月28日(金)の朝の日本の株式市場はちょうど権利落ち(3月決算の上場企業の配当等の株主の権利を受けられなくなる日。これだけで日経平均を300円以上押し下げる効果があると試算されていました)と重なり、日経平均で500円以上の下げで始まりました。経済や企業経営に関しては、簡単にはいかない世の中が到来したことをしっかり受け止め、それでもやっていける覚悟を持って当たっていくしかないと思います。カナダのように無理なことを言っているのはアメリカの方なので、少なくともはじめは毅然とした態度を示すことが大事なような気もします。
経済成長という面で考えれば、自由貿易を推進していくことが最も大事なことで、関税によるブロック化は経済的には誰も幸せにしません。トランプ大統領やイーロン・マスク氏は世界経済を破壊してでも改革を進めていく覚悟を持っているような気がしますので、その弊害をアメリカにしっかり感じてもらうような施策を取ることが大事になると思います。
トランプ大統領は敬虔なクリスチャンで特に昨年7月の暗殺未遂事件を乗り切ったことから、自分は神に選ばれた崇高な役割がある。だから、どんな犠牲があってもやるべきことはやらなければいけないという強い使命感に突き動かされているということを前提に考えておくことが大切だと思います。だからというわけではありませんが、今週は聖書に関わる2冊の本を紹介したいと思います。
まずは、石田平和著『17歳からたのしむ「聖書」』(内外出版社)です。著者の平和さんはキリスト教の精神に基づくイスラエル旅行を主に企画する旅行社の副代表で、大手旅行社出身で創業者のおじいさまの後を継ぐ立場にいます。オーストラリア生まれで、ずっとクリスチャンとして生きてこられて、日本の大学を卒業した後、イスラエルの大学に進学して「聖書考古学」の修士課程を修了されている専門家です。イスラエルの大学に進学する前からイスラエル旅行のアテンドを何回もしてもらったことがあり、英語とヘブライ語、そして聖書やイスラエルの超プロです。
聖書の入門書と呼ばれる本は多数出版されていますが、本書は挿絵などを中心とし、従来のそれらと比較してもより分かりやすい内容になっています。私はイスラエルに旅行するようになってから赤塚高仁先生に聖書を教えてもらうようになりました。最初のイスラエルで赤塚先生に聖書はどの解説書で勉強すればいいですかと質問すると、聖書は聖書で勉強するしかないと教えてもらいました。正直に言って内容が頭に入ったわけではありませんが、一度通読したことがあります。
その時に平和さんの本があればよかったなと、うらやましくなりました。本書は内容だけではなく、聖書の成り立ちの部分から解説がされており、中身だけではない外側からこれらを理解する事が可能となります。他にも新約聖書と旧約聖書の違いなど、キリスト教を知る上で前提となる基礎知識を身につけることが可能なので、その点においても役に立つでしょう。内容についても丁寧な解説がされており、全てを合わせても200ページ程の文量であることを考えれば、17歳から楽しめるという言葉は、決して過言ではありませんし、その触れやすさから、信仰のない人間には高い聖書のハードルを超える助けになってくれます。
登場する人物、聖書の読み方など、こぼれ話的な要素として触れられている部分も非常に読解の力になる内容ですし、曖昧な認識になりがちであった部分についてもしっかりフォローがある為、とても勉強になる隙のない本と言ってしまっても過言ではないかもしれません。聖書だけに限らず、様々な書物から生まれてきた理由について考える山元加津子著『なぜ生まれてきたのか 聖書やサムシング・グレートから考える』(モナ森出版)をあわせて読めば本質的な理解も深まると思います。
聖書とは創造性に富んだ人を惹きつける物語であり、宗教的な観点からも世界的に通じる共通言語である事から、最低限の知識を身につける術として、本書を読む事で、決して損をする事はないはずです。聖書を理解する事ができれば、さらにその先へと発展される事が可能になります。例えば、トランプ大統領の行動の背景もわかるようになります。
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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
![]() 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち)![]() 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |
